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リーンキャンバスは万能ではないという話

ビジネスのアイデアを考えるとき、どうしてますか?
 
基本的にスタートアップ界隈ではリーンキャンバスを用いることが王道とされているかもしれません。
 
スタートアップのアイデアを考えるときに、リーンキャンバスの整合性やビジネスモデルにこだわりすぎてしまうことはよくあることだと思います。場合によっては私もよくハマってしまいます。
 
この手のハマりはいくら気をつけていても陥ってしまいがちですし、常に自分の知らない考え方にアンテナを張っておきたいものです。
 
 
 
さて、ここで、なぜ私がリーンキャンバスばかり使っていては、課題発見および課題解決によくないぞ、と思い至ったのかについてお話しておきます。
 
それは端的に言うと、「ビジネスを構造のみから考えてしまいがちになる」だとか「更新コストが高く、更新ごとの差分を認識しにくいから」というのがザックリとした理由になります。
 
解決策としては、もう少し「時間変化を取り入れた動力学(≒フロー)」で考えることも覚えたほうがよく、ビジネスのモデリング方法を自分で編み出す気概が必要である、という点になります。
 
 
 
私が今取り組んでいるフードシェアリングC2Cサービスも、構造よりも動力学で捉えたほうがしっくりきます。
 
主に活用するモデルはVirtuousCycleといいまして、AmazonやUberやAirbnbあたりのビジネスモデルの分析に用いられることが多く、戦略コンサル系の畑から生まれた考え方のようです。
 
これは、少なくとも2sided-network effectを持ったサービスに有効のようです。
 
各サイドのユーザー増が、相対するユーザー増に与える影響の分析や、そのサイクルはゼロベースだとどこから始めれば良いのかの理解に役立ちます。
 
これは基本的にリーンキャンバスでできないとは言いませんが、私がいろいろ試行錯誤してみた結果、リーンキャンバスだけでアイデアのバリデーションをやりきるのは難しかったです。
 
最近では「2sided-networkのつもりで組んでいたが、売り手だけでサイクルが回ってしまい、立ち上げは容易だが広がりは当初の予想より小さい」などの亜種も散見されることに気づいたので、ドメインごとに形を崩して適用すべきだなと感じています。
 
なんにせよ、KPI策定やチームでの合意形成のための手段は多く持っていたほうが良いので、頭の中に入れておいていただけると皆幸せになれるかと思います。
 
ただし、どのように理論を駆使しようとも、結局は「マーケットペネトレーション速度」と「調達環境」にほとんどの因子が集約されてしまう気がしておりまして、このような知識をもっているか否かはチームビルディングや問題発見力に少々影響するだけの瑣末なものだなぁとも思います。
 
 
 
イデアのバリデーションも程々に、顧客と対話して淡々と頑張りたいですね。駄文失礼しました。
 
〜追記〜
以下のリプライを受けて、 Lean Analyticsに、リーンキャンバスの種々の使用法がまとめられていることを確認しました。角さん、ありがとうございます。
 
現状の個人的認識としては、利益の再投資フローやネットワーク効果を記述したい際はVirtuous Cycleのほうが都合がよく、Customer/Problem Fit, Problem/Solution Fit, Solution/Product Fit, Product/Market Fitあたりを確認したい時はリーンキャンバスが向いているなと思いました。