2017年10月時点のインドネシアの決済サービスまわりまとめ
基本的に https://startup.postalk.io/ でメモした内容をエキスポートしただけの個人用メモです
前提知識
cicilan
クレカ
- 人口2.61億人に対して1600万枚程度の普及率。一人2枚までしか持てない政府規制が2014年あたりから始まったらしく、なんと枚数が減り始めている(*1)。人口の3.5%~5%くらいがいずれかの銀行が発行するクレジットカードを持っていると考えてよさそう。
- クレカの割賦もあり、実質年利36%くらいが目安だが、金利の上限はない
- 月末に自分で送金しないといけない。ただ、電気代等あらゆるお金が自分で振り込まないとダメなので、支払いをまとめるという意味では便利だが、限度額も1~5万円程度であろうし、日本のクレカとは別物。
- cicilanを組むために基本的にクレジットカードが必要。クレカがすでに与信チェックをしているため保険になる。ただし上述のとおり普及していないので、金利0の割賦をダシにクレカを使わせたい商流がありそう。
- クレカのアフィリなどはない。代わりに実店舗での大きな割引で訴求している。
- 銀行系クレカしかない。百貨店などに看板を貸していない。
- 銀行で20~30分くらいかけて登録するか、モールでセールスマンにKTP(マイナンバー)を提示して仮申請してのちに3ヶ月間の銀行残高を見せて登録
銀行
- BCA, Mandiri, CIMB Niaga, BNI, BRI, MayBank, Bank Mega, HSBCあたりが主かなあ。
- 銀行しかクレカを発行していない
- 銀行ATMはジャカルタだと町中にある。しかし地方だとコンビニより少ない
- モバイルアプリが割としっかりしていて、アプリからの送金が楽
- 送金時に「Remark」の欄、補記事項の欄を使わせることはあまりない
- 世界的なunbanked populationは38%と言われているが、インドネシアでは78%にも登るunbanked人口(*2)
- Webサービスはオーダーのユーザーと送金主を紐づけるという泥臭い努力をしなければならない
収入
- 私がエンジニアなのでそのたとえでいくと、「非エンジニア一般職 3~7万円」「非エンジニアマネージャー職以上 8~15万円」「エンジニア一般レベル: 5~10万円」「エンジニア中級: 10~20万円」「シニアエンジニアレベル: 20~35万円」
- インフレ率が毎年5%弱程度なので、給与も一緒に勝手に上がるのが当たり前になっている。銀行預金も同率以上で増える。大体の金融商品には興味を示さない。借金したとしても債務が薄まるので積極的な気がする。
その他
- 各種支払いの遅延損害金は5~10%が相場
概要
オフライン
現金至上主義
店頭でその会社のcicilanに申請して割賦を使う。面倒。毎月銀行振込等で支払う。
どの店舗もクレカ端末はあるっちゃある
いろんな店舗での10~50%の割引を餌にクレカ作成の営業の人もいる。利用者数3%程度で、政府がクレカを持てる枚数を規制しはじめたのでむしろ枚数が減っている
オンライン
銀行振込(シェア60%)
銀行系デビットカードやクレカ(10%)
通販アプリが提供する独自の割賦系サービス
デカいスタートアップの独自モバイルペイメント(連携はあんまりできてない)
コンビニ払い(結構多い。銀行口座を持っていない国民の4割程度が好む。地方ではATMよりコンビニのほうが多いし、銀行アプリは登録が手間。)
着払い(ビジネス構造上、できない商品も多い)
支払いタイミングについて
先払い系
下記ほとんどすべて
後払い系
各社銀行提携cicilan(割賦)
各社独自cicilan
kredivo
- GMO後払い的な立ち位置
- 与信枠によって審査フォームの埋めねばならない量が違う
creditplus
決済種類別まとめ
リアル決済系
大企業系
OVO
- モバイルペイメント
- 財閥系
t-cash
- telkomsel社
- モバイルペイメント
- 実店舗割引がでかい
BCA ATM
- デビット
Mandiri e-money
スタートアップ系
なし
ネット決済系
大企業系
t-cash
- telkomsel社
- モバイルペイメント
Mandiri Clickpay
- ネット用デビットプロトコル
- Mandiri銀行
CIMB Click
- 銀行
- デビット系
スタートアップ系
kredivo
kreditplus
通常の銀行
- 基本的に入金確認用にスクショかレシート画像のアップロードが必要
- 裏側は人力で入金とオーダーをマッチングしているのでコスト高
- tailcode(ルピア/IDRは桁が大きいので下三桁) を使って10円以下の誤差金額をユーザーに負担/サービスが負担することで、単位時間中で一意になるID情報を送金金額に含めることが可能。オーダーもIDを記録しておけば、通常送金でもマッチングの自動化が可能
- 銀行APIは大手でいうとBCAは公開しているがProdデプロイには厳正な手続きが必要。利用可能なIPを紙に書いてハードコピーを郵送する系の重厚長大な登録の必要がある。しかもやりとりは基本的にインドネシア語だ。APIは有料。(200Rp/req~)
- MandiriはAPIなしなのでWebDriverか。
- ユーザーはサービスの銀行口座をfavしておける
- 送金数が多いサービスは口座を複数用意してロードバランスできる。あるユーザーIDに対してある口座番号が必ず使われるように紐付けがないと、ユーザーは口座を銀行システムにfav(お気に入り登録)できない
銀行振込のVirtual Account
- 一回きりの自動生成される銀行口座に指定金額を入金すると、サービス側のシステムが自動で着金処理をする
- ATMや銀行アプリからの送金時に番号と金額の療法をコピペする必要があり面倒
- 口座番号が毎回違うので、そのサービスの口座をfavできない
個人間送金特化
大企業系
Jenius (モバイルペイメント / 年金基金系)
sakuku (モバイルペイメント / BCA銀行)
スタートアップ系
gopay
特定サービス特化
大企業系
なし
スタートアップ系
tokocash
- tokopediaはAlibabaから1000億円程度出資されている
- tokopediaは他にもsaldo/pointという仕組みがあり、少し複雑
- tokocashの普及のためにtokopedia内での割引がちょいちょいある
alipay
- すでにLAZADAで使用されている
- リアルではまだ全然
- LAZADAはAlibabaによって1000億円で買収されている
- これは50%近いダウンラウンドだった
gopay
- GO-JEKはwechatから1400億円ほど調達している
- 市民の足として非常にリテンションが高い
- 高所得者層はGO-FOODを頻繁に使う
- GO-CLEAN等、GO-LIFEアプリに分離されている機能にはgopayはまだ使えない
- GO-JEKはインドの受託企業を2社買収している。それぞれのアプリは異なるチームによって作成されているはず。よってインテグレーションの歩調はあまりあっていないように思える。また、GO-LIFEは本体と別のチームなのではないだろうか。
*1 cited from "Asosiasi Kartu Kredit Indonesia (AKKI)"
Amount of Issued Credit Card
Amount of Transaction
mGTV(Monthly Gross Transaction Value of Credit Card in Indonesia) (単位は100万IDR) (10000IDR = 83.3374JPY at 2017/10/08)
*2 The Asian Development Bank’s September 2015 report Fintech Talk: Loan provision for the unbanked. Is it possible? - Business - The Jakarta Post
*3 Paypal Paypal In Indonesia ? - Living In Indonesia Expat Forum