よくわからない量子の話、あるいは情報の話。
情報と物質の関係という古き良きサイトを見つけた。
ジオシティーズとホームページビルダーで作られた頭の良いオッサンが作っているであろう解説サイトだ。
↑こんなの
こういうのを見つけるたびに、街中ですれちがう人たち、いろいろ闇を抱えてるんだろうなあ、と思う。
内容は「量子寄りの計算機科学かじった人の科学哲学」って感じ。
情報ソースは明示してあるようだ・・・数式もソースコードも出て来ない類・・・いや、良いんですけどね・・・自然言語のロジックは破綻を含んでいても気付きにくいから警戒せざるを得ない・・・
トンデモ科学を疑いながらも興味津々で読み進める。
量子力学は、物質と情報とが絡み合う奇妙な世界を扱う理論なのだ。
量子現象の謎を解く鍵は、量子現象と情報概念との不可分な関係にある。
おお!俺たち(エンジニアや科学者)に言えないことを簡単に言ってのける!そこにシビれるあこがれるぅ!
しかしこれは、各方面から猛烈なマサカリが飛んできそうな言い草ですね。
どっかの学者か、挫折したオジサンが趣味で築き上げた独自理論、おそるべし。
いやでも、物質の形態に認識主体が意味を与えて情報になる、その最小のインターフェースが量子なのか・・・。ニューロンの膜電位やそろばんや真空管や半導体が情報を保持しうる仕組みとしての物質と情報・・・気になる・・・。
査読済み論文でもないので信憑性皆無ですが、面白そうなのでもうちょっと厳密な根拠が知りたい、ということで読み進める。
以下、目次で気になった箇所を中心に解説。
うーん。タイトルの疑問を解消してくれるような結論めいたものは無し。
これは期待はずれか・・・?
これはグレッグイーガンの順列都市マニアな私にとっては垂涎もののテーマですね〜〜。 円周率πの中の循環小数つまりランダム数列からシェイクスピアの全集から世界をシミュレートするソースコードまで取得できるという脳汁テーマでございます。
さて、このページでは問いが発せられます。
無限小数は、記号としての役割を果し得るのか?
数字がランダムに並ぶ無限小数に個性はあるのか?
そして答え
二つの無限小数が同じか否かを判定する一般的手段はない
無限小数は情報として伝達できない
無限に続く数字列は記号の本質であるディジタル的性格を持たない
この小数は、ウィトゲンシュタインの言う「語り得ないもの」の実例である
おお!おもしろい!これは頭の良い人の着眼点や! 近頃、科学的方法論で扱えない観察不可事象に対するアプローチを考えていたんですよ!何かヒントがあるかも! ちょっと見直したぞ、ホームページビルダーおじさん!
でもちょっと過激だなってのはこのへん
数字がランダムに並ぶ無限小数は論理と矛盾する存在だ。
数学者がこの状況に気付かないのは実に不可解だ。
基本的に神経科学者と物理学者と数学者を目の敵にしております。
しかし、科学的方法では到達できない地点を哲学的思考実験で整理仕様というモチベーション自体はとても理解できるものであります。(世の中には<ウィトゲンシュタインの言う「語り得ないもの」>がたくさんありますもんね)
とのことですが、これは「個性」というオリジナル定義ワードにまどわされてしまうのでアレなので、厳密さをある程度犠牲にして簡単にオジサンの言いたいことを要約します。
曰く、
想像してごらん、無限小数を考えうる限りありったけ全部並べきってみよう。
そこからちょこっとテクニック使って
『いつだって』新しい無限小数をもう一個作れてしまったとしたらですよ、
『考えうる限りありったけ全部並べきる』なんてことは
『いつだって』不可能だと言えるんじゃないですかねぇ・・・?
と言った訳だけど、それって『無限少数を横にずっと記述しきる』ことを
前提としていてアウトじゃないですか?
とのこと。
さて、これって数学マンからマサカリが飛んでくる案件なので言及するものヒヤヒヤものなんですが、「無限」という概念を定義して証明に盛り込む時点でそのあたりの定義付けはされているんじゃないんですかね?ちょっとこのオジサン数式あんまり使わないし感覚で言ってるんじゃないか疑惑感じますね僕。
完全な三角形は数学的イメージとして存在するのに、完全な三角形はデジタルで扱えないから数学は不完全だ!
みたいな主張に感じる・・・。三角形のイデアや無限のイデアや虚数のイデアは「あると定義する」ものでしょ・・・。
連続体濃度には曖昧さがある
これも前述のカントールさんの内容に絡みますね。
現代集合論の出発点であるカントルの定理は 「実数の濃度は、自然数の濃度より大きい」ことを主張する。 しかし、先の議論からこれは定理ではなく公理とすべきものだ。 ランダムな無限小数に個性(=実在性)を認めること ⇔ 実無限を認めること である
おうふ。これは・・・。
概念の実在性って数学においてそんなに大事だったっけ・・・。
現実に無限が存在することは科学的方法論で観察しうることの範疇ではない形而上学なのは確か。
しかし、数学的対象としての無限は虚数と同様に実在しなくても良いし、無限小数も同様なのでは・・・。
誰か解説plz...
(1)情報の定義 (2)情報表現物質(情報対応物質) (3)情報の読取り (4)読取り結果の利用
物質→情報の変換の定義、気になっていたけど定義てきでいなかったので面白かった。
自然言語によるモデル化という意味で哲学は面白い。
ニューラルネットが定義する情報は明示的に定義されない 脳の内部で情報が (1)記号化されて表現されているのか(明示的情報)、 (2)記号化されないで分散的に表現されているのか(非明示的情報) について熱心な議論がある
外部から存在を客観的に確認できない情報(主観の領域の情報)として非明示的情報を定義したのかな
情報と物質の相互作用を実現する機械
「非物質的な情報は、物質に直接作用できない」 という結論を心身問題に敷衍すれば、 「心という非物質的な存在が脳という物質に直接作用できない」ことは自明だ。 心身問題の解決には先ず情報物質問題を解決する必要がある。
情報→物質の作用を知ることは大事かもしれない。
意識が脳という物体に作用するインターフェース、謎だもん。
これは観察しようが無いから科学という方法では扱えない形而上学の問題。もちろん極限まで客観的事実を集めることは推論を容易にするけど。
情報という物理で扱える範囲外の事象が、電子の運動を制御していることを科学と哲学の両サイドから議論しよう
というのがこのサイトの狙いっぽい
物理法則による説明には一般に時間概念が不可欠だ 一方、関係駆動型制御/情報駆動型制御システムの理解にはメタ因果律が不可欠だ
キーワード
ちょっとよくわからないけどなんかすごい(適当)
球あるいは立方体の何れかの形状をもつ物体がある。 物体の形状を認識して
(1)球であればそれに近づき
(2)立方体であればそれから遠ざかる
仕組みをもつシステムを考える。
このシステムの現象は物理法則のみで予測できるだろうか?
システムの機能を実現するには形状認識という情報処理が必要だ。
球や立方体という概念は、原子/物体の大きさ/質量などの物質的属性に還元できない。
従って、このシステムの現象を物理法則のみで予測することは不可能になる。
(1)情報が非物質的概念であること
(2)情報は動物の脳で定義されて生成されるものであること
を考慮すれば、動物に関する現象を物理法則のみで説明することは不可能だ。
この点は同意
時計は「時間を計る」機械ではなく「時間情報を定義して出力する」機械
時計で時間を計る」という言い方は、日常的に使われる。
これは、時間が実在することを前提にしている。
その点に問題がある。
今後の論理展開のための準備項っぽい
読み物として面白かった。物質波を定義する波動関数について、実際に物質が波として存在するのではなくて、未確定情報 を波としてモデル化しる解釈で系を再構築すると納得いくよねって話。
ふう、疲れた。でも面白かった。根拠が弱い点、査読を経てない点、穴は多いですが、着想の出発点としては大変よい教材ではあると思いました。こういった哲学的下地をしっかり学ぶほど課題が明確になりモチベーションが上がって良いですね。